観ているだけで息が切れそうになる韓国映画『殺人鬼から逃げる夜』…どこまでも追いかけてくる殺人鬼から逃れられるのか

復讐や怨恨、仲違い。人が人を殺すには、なにかしらの理由があるものです。

 

映画やドラマといったフィクションにも、殺人の理由が語られるシーンが出てきますが、近頃は「理由なき殺人事件」を扱った作品もチラホラ。今回取り上げる韓国映画『殺人鬼から逃げる夜』の犯人も、まさにこのタイプです。

 

ただ殺したかっただけ。

シンプルな動機から繰り返される残忍な行為。

 

本作の主人公・ギョンミは、会社から帰宅途中に、血を流して倒れている女性・ソジョンを発見したことから、近くに身を潜めていた連続殺人鬼・ドシクの次のターゲットにされてしまいます。

 

しかもギョンミは、聴覚に障がいがあり、言葉もうまく話せません。

連続殺人鬼・ドシクは、そのあたりをうまく利用して、ギョンミを孤立させ追い詰めようとするのです。

 

こうして始まった夜の追いかけっこ。

連続殺人鬼・ドシクは、サイコパスでありながら驚異的な脚力の持ち主。ガッツもあるため、どこまでもどこまでもどこまでも追いかけてきます。しかも全力ダッシュで。

 

しかしギョンミも負けておらず、視覚・脚力・持ち前の機転を武器に、逃げて逃げて逃げまくる! 韓国中を走り抜ける勢いで、終わらない追走劇を繰り広げます。

 

本作は、ホラー要素強めなサスペンスですが、怖いというよりもむしろ、役者さんへのリスペクトが高まる作品でもあります。

だって、80分間走りまくる映画なんて、ほかに観たことないもの……! 追いかけっこする羽目になった役者のみなさんは、相当苦労したのではないでしょうか。

 

ギョンミを演じるのはチン・ギジュさん。

韓国最大の財閥企業・サムスングループのエリート社員から報道記者に転身し、モデルを経て俳優になった……という、超異色の経歴の持ち主です。

 

そして、ガッツのある殺人鬼を演じるのは、『コンジアム』『イカゲーム』などに出演する今注目の俳優ウィ・ハジュンさん。ふたりの壮絶な追いかけっこを見届けて。